ここ数年の間に、日本でもStructural Integration は加速度を増して広まりつつあります。
ロルフィングを実際に受けた方々の感想は、慢性的な痛みが軽減された、姿勢が改善された、柔軟性が高まった、からだへの気づきが高まることにより、自分自身の健康についてもっと考えるようになった…などの報告が一般的かと思います。
ロルフィングに身体的な機能向上・改善を求める人もいれば、よりエネルギー的(スピリチュアル?)な要素を期待する人もいますが、ロルフィングはそのどちらにも働きかけているというのが実際のところです。どちらか一方の効果だけを過度に期待するのは好ましくありません。
ロルフィングを選ぶ理由は人それぞれです。「ロルフィングを受けたからこうなる」という受動的な目的ではなく、「私はどうしてロルフィングを受けようと思っているのか?」ということを、ロルフィングを検討なさる前にぜひ一度考えてみてください。
ロルファーは「レシピ」に沿ってセッションを進めますが、受け手の状態(condition)や適応能力(adaptability)、感受性(sensitivity)・意図(intention)、取り囲む環境との関係(relationship)、人や物との関わり方(attitude)...などによりその変化の受け止め方や結果は人それぞれに違ってきます。ロルファーとの相性もそれらのうちの1つに含まれます。
ロルフィングは、ロルファーと受け手とのコラボレーション(共同作業)によって創り出されると言っても過言ではありません。
またロルフィングは単なる一過性の対症療法ではありません。
現代社会では、簡単な方法で結果が出せるスタイルがもてはやされていますが、その場しのぎ(quick-fix)なやり方で、表面的な美しさや健康を取り繕うには、もはや限界が来ているのではないでしょうか。
例えばロルフィングでは、体重が減るといったような直接的な効果が期待できません(目的としていません)が、 身体の構造には働きかけることにより、身体のラインがすっきり整うだけでなく、各器官の組織の代謝機能が向上するため、見た目に健康的で、内側からにじみ出る本来の美しさを取り戻すことができます。それは見た目の数字で計られるものではありません。
ロルフィングは街頭のクイックマッサージのように、人生の中でそんなに頻繁に受けるようなものではありません。受けるためのお金も時間もあなたの貴重な財産です。もし人生の中で辛い転機が訪れているような時期?自虐的に多忙な日々を何かで埋め合わせする習慣が身に付いているような時期?など・・ロルフィングでの大きな変化を変化として受け止めるだけでも(全ての人に起こる訳ではありませんが)とても辛く感じる場合もあります。ご自身の本質的な部分が変わるとき、それだけ大きなエネルギーを必要とします。
よって、ロルフィングは全ての人におススメ出来るとは言いきれないのが実際のところです。ロルフィングを受ける機会はそれを必要としている人に、必要なタイミングでやってくるものと信じています。ぜひ、ご自身の準備が整っている時期にロルフィングを選択肢の1つに入れてみてください。
各ロルファー、S.I プラクティショナーとの出会い、皆様にとってのロルフィング体験が有意義なものになりますよう心から願っています。
--- Certified Rolfer, Takayo