重力との調和
ロルフィングの特徴となるキーワードは「重力との調和」
日常生活の中で重力(Gravity)を意識して過ごしている人は果たしてどれだけいるのでしょうか。私達は(肉体レベルにおいては)生まれた直後から重力にさらされ、地球上に存在している限り、息をしてても、食べる・動く・考える…どんな活動をしてる時でも、死ぬまでそれは続きます。 空気と同じように、目に見えなければ、匂いもしないものですが、普段私達は気づかないうちにこの重力と「共存」しています。
ところが、日々の習慣や癖、ストレスを感じている時、過去のトラウマなどが潜んでいる場合など、身体の一部を緊張させてしまうことでバランスが崩れてしまい、それが継続的に続いた結果、本来の楽な状態を見失ってしまい不調を引き起こします。それを取り繕おうとして出来たバランスが、更に自分自身に対する印象にも制限をかけてしまうこともあります。 よく「身体が歪んでいるから、ある動作がしずらい」と言うことがありますが、これらは日々の習慣や何かあった時に緊張を作りやすい部分に動きが制限されたことによって姿勢が歪んだものと考えます。
ロルフィングでやることは、治療や矯正ではありません。たとえ何らかの手段で歪みが「矯正」できたとしても、本質的な部分での変化や心身への気づきがないうちは、同じことの繰り返しを続けるだけです。
変化・変容のために必要な試みは人によって様々ですが、まずは現在の自分の状態や(意識的・無意識的にやっている)傾向を知ること、その時の重力との関係性に気付くことで、本来の「楽な身体の状態」(=自分にとってのホーム)をクライアント自身で発見・体験する能力が向上します。重力は、基本は上下方向にかかる力ですが、それが身体の中心軸に定まっているとき、その軸を中心に、私達はどんな方向(上下左右、内側外側)にも自由な表現ができるのです。身体的には効率のよい動きが出来たり、精神的には活力がある状態に向かいやすくなります。
もう1つの特徴は、「統合 (Integration) 」があるということ。
これは活字ではうまく説明しづらいですが、身体全体がシステムとして働くとき、有機的なまとまりを持って機能する身体を目指しています。パーツの修復するだけでは実現できない要素です。10〜10数回のロルフィングが終わった時点では、その人の痛みや癖、制限の一部が多少は残ろうとも、そんな自分の身体を踏まえながらも(自分が)どの瞬間においても、その時にできる最善・最適なやり方で、「より楽な状態」を知ること、自分でそれを感知できること。私達は少しでもそんな状態に近づきたいのです。
→see also, アイダ・ロルフ博士のページ
◆より興味深い解説を知りたい方は、ロルファー幸田良隆氏による
「ロルフィングに関する考察(立ち方、歩き、痛み、愁訴、心理的影響)」を読んでみて下さい!
◆ Little Boy Logo®(小さな男の子のロゴ)
実際にアイダ・ロルフ博士がロルフィングを行った子供さんの変化を見本にロルフィングのロゴマークは出来ました。左側はロルフィング前、右がロルフィング後です。